第6回ここ掘れ!長野調査隊 報告

平成28年9月8日(木)第6回目となる「ここ掘れ!長野調査隊」を行いました。

今回は、NHK大河ドラマ「真田丸」の放映に合わせ、舞台の一つでもある松代の歴史遺産をめぐることで、歴史の流れに思いを馳せ、身近にありながら日頃見過ごしている長野のまちの魅力を再認識していただくことを企図して行いました。

 
 

当日は、台風13号による雨を覚悟していましたが、なんと参加者の皆さまの思いが通じたのか、時折薄日も射す天気となり、逆に蒸し暑い中でしたが、会員及び一般市民の皆さま合わせて総勢33名の楽しい歴史遺産めぐりとなりました。

朝8時、セントラルスクゥエアの前で出発式。会員のビー・クスさんに作っていただいた「ここ掘れ!長野調査隊」の旗が集合の目印。竜野調査隊長、鈴木事務局次長(副隊長)の挨拶の後、市川理事長のお見送りを受けて、チャーターした長電バスに乗車。

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(竜野隊長の出発挨拶)

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(期待を胸にバスに乗車)

 
 

まずは信幸(信之)、信繁(幸村)の父で真田昌幸公が心から崇拝していた名将武田信玄公と越後の虎・上杉謙信公との戦い跡の「川中島古戦場」へ。ここでは、川中島の戦い語りべの会・会長の石坂隆重さんのガイドで、両軍の布陣や戦略、武田信繁や山本勘助が討ち死にした千曲川を挟んでの霧の川中島の激しい戦いについて、熱くお話しいただきました。

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(ガイドの石坂さんのお話しを聞いて兵どもの戦いの跡に思いを馳せる)

 
 

次に一行は松代へ。松代城址前の駐車場で迎えていただいたのは松代文化財ボランティアの会ガイドの宮澤惠夫さん。時間がちょっと押していたことから松代城址は外観のみ見学。

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(お出迎えいただいたガイドの宮澤さんから今日の行程の連絡を頂く)

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(駐車場から見た松代城址外景)

 

松代に着き、最初に向かったのは真田家の歴史が一杯詰まっている「真田宝物館」。館内は撮影禁止とのことで写真は撮れませんでしたが、同館では4月から特別企画展「戦場の絆」を行っており、現在は第2期の展示として、NHK大河ドラマの放映タイミングに合わせて、「真田 天下分け目をゆく」を展示。真田昌幸、信幸、信繁に加え、豊臣秀吉、徳川家康、石田三成、大谷吉継等歴史に名を残した戦国大名の自筆の書状には感動。

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(真田宝物館外観)

 
 

次に向かったのは国指定史跡の「真田邸」。9代藩主の真田幸教公が義母・貞松院のため建てた御殿で、後に幸教公ご本人の隠居所として使われたとのこと。御殿の間や庭園の美しさは見事。

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(真田邸門)

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(藩主の間)

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(真田邸庭園、借景のなだらかな山が象山)

 

この真田邸から歩いて3分のところにあるのが、国指定史跡の「文武学校」。藩士の子弟の学問・武芸を奨励するため、8代藩主・幸貫公が佐久間象山らの意見を取り入れて建設準備に入り、9代藩主・幸教公がその志を受け継ぎ、1855年に開校。御役所、文学所、剣術所、柔術所、弓術所、槍術所等から成り、文学所は藩主を前に口答試験が行われていた場所として往時の緊張感を感じるとともに、所内の間は質素ながらも気品ある面影を残している。

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(文武学校門)

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(文学所にてガイドの宮澤さんと元藩主の座に座られた一般参加者の山本仁一郎さん(93歳))

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(槍術所)

 

松代の街中をしばらく歩き、重要文化財指定の旧横田邸へ。屋敷地は約千坪で、屋敷構は江戸末期の中級武士の住宅の特徴をそのまま残している。また、この横田家は、明治になり英才を多く輩出、横田秀雄氏は明治初代大審院長、その子の正俊氏は最高裁判所長官と二代続いて裁判官の最高地位に就くとともに、秀雄氏の弟の謙次郎氏は鉄道大臣に、また、姉の和田(旧横田) 英は、「富岡日記」の著者として名を馳せている。

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(旧横田家内)

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(旧横田家庭園)

 
 

最後にめぐったのは、真田家の菩提寺・長國寺。本堂裏には、初代藩主・真田信之公の御霊屋(国指定・重要文化財)、第4代藩主・信弘公の御霊屋があり、日光東照宮を模し、破風の鶴の彫刻は左甚五郎作と伝えられる信之公の御霊屋は壮麗の一言。その奥には真田家歴代藩主・奥方のお墓があり、初代藩主・信之公のお墓の前にだけ鳥居が。参加者一同、静かに一礼。

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(長國寺外景)

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(信之公御霊屋)

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(信之公御霊屋破風の左甚五郎作と伝えられる鶴の彫刻)

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(信之公お墓)

 

長國寺からバスが駐車している松代城址前まで歩きだしたところ、なにか見計らったように、しとしとと小雨が。ちょっとだけ雨に濡れてしまいましたが、戦国時代、江戸時代にタイムスリップした約5時間は、NHK大河ドラマのシーンとも重なり、不思議な感動を覚えた有意義な「ここ掘れ!」でした。
セントラルスクゥエアにはほぼ時間どおり午後1時15分に到着。参加者の皆さま、半日、本当にお疲れさまでした。また、ガイドの石坂さん、宮澤さん、親切なご案内をありがとうございました。

文・写真:NUPRI 事務局 河口 明弘